ども、ドラマ髪型どっとこむのやこゆうです。
前回、藤田ニコル(にこるん)さんの髪型の徹底解剖の記事をアップさせていただきました。
一方的にお客様サイドにだけ情報提供をしてしまうと、美容師のみなさんも非常に困った事になってしまう可能性もあると思い、こちらの記事で専門的な解説を行っていこうと思います。
是非参考になさってください。
※お客様でご覧になっている方は、専門用語等で意味のわからない部分もあると思われます。事前の参考に見ていただいても構いませんし、担当される美容師の方に「このサイトに解説が載っています」と直接お見せになられても構いませんのでご自由にお使いください。
藤田ニコル(にこるん)の髪型とは?
美容師のみなさん、たとえティーン世代のカリスマモデルといえど藤田ニコルさんはご存知ですね。
年配の美容師さんの中には、「若すぎて良さがわからない」と敬遠されている方もいるかも知れません。しかし、その髪型を選ぶのは、あなたではなくお客様です。
世代の違いがあっても、しっかりと理解して、お客様が満足のいくサービスを提供することを心がけましょうね。
藤田ニコルさんといえば、元ティーン向けファッション雑誌『Popteen』のカリスマモデルさんです。
基本的にはハイトーンカラーが中心で、上記の画像のような濃いめのアッシュやピンクなど、派手目のカラーリングやキュートなヘアスタイルが特徴でした。
しかし、テレビや各メディアへの露出が増え、『Popteen』卒業後には「脱ギャル」の名の下に大人女子へと変貌を遂げています。
昨今では、比較的おとなし目のカラーリングが目立つようになり、前髪も重めのぱっつん前髪から薄めのシースルーバングへと変わり、ダウンスタイルの巻き髪というスタンスでご活躍されていますね。
藤田ニコル(にこるん)の髪型をオーダーされた場合のカット方法とは?
お客様用ブログでは、下記の画像をご紹介させていただいた上で、髪型の解説を行っています。
引用元 twitter.com
ちなみに
まずは、髪の長さです。髪の長さを伝えるときは「鎖骨下の切りっぱなしボブ」と伝えてください。すると、昔で言うところの『ワンレングス』になると思います。
ここからが重要で、「普段巻いたりもするので、顔周りの毛にアゴ下から軽くレイヤー(シャギー)を入れて、耳下くらいから毛先を少し軽めにしておいてください」とオーダーしましょう。すると、よほど感の悪い美容師さんでない限り、かなり近いヘアスタイルになるはずです。
という文面でご紹介させていただいていますので、参考までに!!
お客様にも伝えやすいようにとても簡単な文章でまとめさせていただいている分、美容師さんも若干混乱してしまうかもしれませんね。
では、もっと細かい解説を行っていこうと思います。
まずは、『鎖骨下の切りっぱなしボブ』の基盤となるボブの切り方です。
通常通りロングボブを作っていく方法でも構わないのですが、できるなら1cmほど長めに切ってあげた上で、バックからセンター分けにしてバイアススライスからアールに引き出してワンレングスにすると毛先の重なりが丸みを帯びるので柔らかい印象に仕上がります。
簡単に説明すると、裏毛を切る要領でカットしていくと考えるとわかりやすいかもしれませんが、少しだけ違う点は「なでつける」のではなく、「引き出す」イメージです。
オンベースから肘を張り、肘を大きく回転させるように下に引き出していくと、内側のアウトラインと外側のアウトラインが揃うポイントが出てくると思います。
そのポイントで、はみ出ている真ん中の毛先をカットします。
カットをされている方なら御わかりだと思いますが、通常のワンレングスカットは頭皮に対して逆アールの切り口になります。しかし、アールに引き出した場合、切り口が頭皮に対して正アールになるので、毛先の印象が柔らかくなり、厚みをダイレクトに感じられるように仕上がります。
次に顔周りのシャギーの入れ方です。
通常の顔周りのカットというと耳トップから前に引き出してカットしていくと思うのですが、今回の場合は「軽めに」ということなので、耳前(もみあげの後ろ)あたりから下に引き出します。アゴ下の髪にハサミを当て、スライドカットで毛先まで角を取っていきましょう。そうすることで、シャギーが入りすぎず顔周りに柔らかな毛先のレイヤーが入ってきます。
続いて、セニングの解説をしていきます。
今回のスタイルでは、あくまでも『切りっぱなしボブ』なので、厚み(重さ)を残してくようにセニングを入れます。
その際に、間違っても梳きバサミは使わないようにしてください。
使いのは、シザースのみです。好みにもよりますが、バック3段・サイド2段・+トップといった感じのブロッキングでいいと思われます。垂直にスライスを取りオンベースに引き出して、バックアンダーブロックは「毛先1/3から1/2」にかけて1cmピッチの1mmでポイントカットのインナーレイヤーを入れます。
バックミドルブロック+サイドのアンダーブロックは「毛先1/3から2/3」にかけて同じように1cmピッチの1mmでポイントカットのインナーレイヤーです。
アッパーブロックは、オンベースではなく床と平行に引き出し、様子を見ながら毛先のみ少し軽くしましょう。
トップは、よほど厚みが強くない限り、ノータッチでも良いと思われます。
最後に前髪のカット方法です。
今流行りの『シースルーバング』のカットになります。『シースルーバング』は、その名の通り透け感のある前髪ですが、今回の場合は、奥行きが3cm程度・幅が黒目の外側より少しだけ外を意識すると良いでしょう。というのも藤田ニコルさんの前髪は、もともと本人の前髪の影響かわかりませんが、通常より少し広めになっています。
前髪全体に丸みがあるのに加え、毛先をより巻き込んでいるので、長さは目の上ギリギリくらいに設定してください。前に引き出して切るよりも、フロント側に回り込んで自然に落とし込んだ状態でカットすると失敗しにくいですよ。
セニングは、梳きバサミを使用するなら10%以下を使用してください。シザースの場合はスライドカットで逐一様子を伺いながら透け感を調節しましょう。
いかがでしょうか?うまくに『こるんスタイル』が完成しましたか?
比較的、ベーシックに近いスタイルではありますが、細部が非常に繊細に作り込まれているので、慣れるまでは一つ一つ確認しながらカットしたほうが良いかもしれません。
藤田ニコル(にこるん)のヘアカラーをオーダーされた場合の施術方法とは?
今秋の藤田ニコルさんのヘアカラーは、ズバリ!トレンドカラーの『ブルーヴァイオレット』です。
画像によって、かなり退色具合が違いますが…染め始めはおそらく、7~8トーンの薬剤でしょう。
具体的な施術方法については、以下の記事でトーンアップ版とトーンダウン版に分けて解説させていただいていますので、参考にしていただければと思います。
尚、今回は美容師さん向けなので、もう少し細かく解説していきますね。
トーンアップの場合は、赤味が非常に重要になってきます。お使いの薬剤の赤味が薄いようであればアクセントカラーを足すなどして調節した上で施術し、地毛に黄色味が出ないようにしてください。ちなみに、どのメーカーさんの薬剤も赤系は、8トーンくらいが一番彩度が高い設定になっていると思います。10トーンや12トーンでの施術の場合は、基本薬剤以外に適宜色味を補充することをおすすめします。
更にトーンアップでは、毛髪にファーストカラーの残留物があるとセカンドカラーの色味がしっかり入りません。バッファー剤やアルカリキャンセルなどを使用して、ファーストカラーの影響を受けないように施術することが失敗を防ぐのに大事な工程です。
トーンダウンの場合は、既染部や損傷の激しい部分にはしっかりPPTなどを浸透させてからピグメントの塗布をしましょう。毛髪の補修が不十分ですと、不自然にくすみが出てしまったり、毛先だけアッシュになってしまうなんて失敗があります。
特に損傷が激しい場合には、カラー剤を塗布する前に仕上がりが決まるくらいの気持ちで、しっかりとした処理が必要です。更に、色落ちが心配な場合には、無理にトリートメントをすすめず、アウトバスのオイル系トリートメントで表面保護に徹するほうが色持ちもいいでしょう。
まとめ
今回、2018年秋スタイルの藤田ニコル(にこるん)さんの髪型の徹底解剖のアンサー記事として、美容師さん向けに更に詳しく解説してきましたが、技術面の解説なので100%は伝えきれていないかもしれませんし、お客様によって髪質や毛量など十人十色なので、この通りにいかないなんてこともあるかもしれません。
ただ、一つのスタイルを作る上で技法や方法など参考にしていただければ幸いです。
お客様に少しでも満足していただけるように美容師として頑張っていきたいものですね。
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