ブリーチに関する知識!勘違いしていませんか?

スタイリングのヒント

皆さんの頭の中には「ブリーチ=傷む」という構図が完成されていますね。

おしゃれ染めが世の中に浸透し、髪を明るく染めることが市民権を得つつある現代では、美容室で理想の色合いに染めたい時にブリーチを進められることが多いと思います。

ただ、美容師さんに勧められても「傷むんじゃないか?」と二の足を踏んでしまうことが多いと思われます。

そこで、今回はブリーチをどう施術したら傷むのか?ブリーチによって髪を傷ませない方法、家庭でできるブリーチonカラー後のメンテナンスなどをご紹介していきたいと思います。

 

ブリーチをどう施術したら傷むのか?

テレビや雑誌などで拝見する芸能人やモデルさんもハイトーンでキレイに染め上げている方を多く見受けられます。憧れの芸能人やモデルさんのヘアースタイルに少しでも近づけたい…自分もキレイな髪色に憧れるという方は少なくないでしょう。

しかし、美容室で憧れのカラーのオーダーをすると「ブリーチしないとこの色にはなりませんよ」と言われてしまうことがほとんどでしょう。

それはなぜかというと、現在日本で流行っている髪色のほとんどがベースとなる赤色を限りなく少なくした欧米人風で透明感のある髪色だからです。

ここで、重要になってくるのが前述した赤色の存在です。日本人の髪の毛は、髪を明るくする公邸で、欧米人の髪の毛と比べ赤色の範囲が非常に大きいのです。

染め上がりが、赤・オレンジ系であればさほど明るくする必要はない(それでも一度ブリーチをしてあげたほうがキレイに色の発色が出ます)ですが、アッシュやマット系であれば間違いなく赤味が邪魔になってきます。

そこで、登場するのが「ブリーチ」ですね。ブリーチの意味は❝漂白する❞です。文字通り黒い髪の毛を「漂白する」イメージですね。ただ、一度のブリーチでは白くはならず、良くても若干オレンジ味が残ってしまう程度でしょう。

そこで美容師さんの提案に安易に乗ってしまい、頭髪全体を何度かブリーチしてしまうことで、既染部の傷みが深刻なものになってしまいます

ブリーチ剤という薬剤は、髪の毛の色素だけではなく髪の毛を構成する組織のすべてを破壊していきます。そのため、既染部に対しては構成組織の破壊に合わせ、たんぱく質の流出、キューティクルの剥離など様々な要因を含み、目に見える代償としてあなたの髪の毛を使いものにならなくしてしまいます。

なので、美容室でもセルフカラーであっても、不用意に毛先までブリーチ剤を塗布するということだけは避けたほうが身のためです。特にクシを通していくと毛先に薬剤がたまりやすいですからセルフカラーは危険極まりないですね。

では、いったいどうやって全頭髪を傷ませずに明るくしていったらいいのか?事項で詳しくご紹介しましょう。

 

ブリーチによって髪を傷ませない方法

では、本題の傷まないブリーチの施術方法ですが、その答えは簡単です。新生毛及び一度もヘアカラー施術をしていない部分のみにブリーチを塗布するのです。

実はブリーチ剤というのは、薬剤の特質上1回の施術での傷み度合は、通常のアルカリカラー(おしゃれ染め)よりも傷まないのです。もちろん、過剰な塗布やオーバータイムは無いものとしての考えです。というのも、アルカリカラーにはブリーチ剤とアルカリ染料の両方が配合されていて、髪の毛をブリーチしつつアルカリ染料を浸透させて染め上げるという仕組みになっているので、アルカリ染料の分のダメージが加算されるのです。

話は戻って「じゃあ、残りの暗いところ(既染毛)はどうするの?)という声が聞こえてきそうですね。

残りの既染毛(すでにヘアカラーを施術した過去がある)には、脱染剤を塗布するようにしましょう。

脱染剤とは、その名の通り染めた色を抜く薬剤です。髪の毛内部のすべての組織を破壊するブリーチ剤とは異なり、アルカリカラーの酸化重合という化学反応を分解して色素を抜くことができる薬剤ですので髪の毛へのダメージも最小限に抑えることができます。

ご存じない方も多いかと思いますが、一般的なヘアカラーで8レベル(明るすぎず暗すぎず普通の茶色)程度のヘアカラーを過去に3回したことのある髪の毛は、脱染するとほとんどの場合が金髪になります。勘違いされている方が非常に多い事柄として「私はブリーチはしたことがない」と断言される方が多いですが、ヘアカラー(白髪染めも含む)をされている方は、もれなく少なからずブリーチをしているのです。

一昔前までは、特定の美容室でしか使用されていなかったのですが、最近では各メーカーさんの企業努力もあり、比較的多数の美容室で取り扱いがあるものと思います。逆に取り扱っていない美容室は、時代に乗れていない要注意美容室と思っていただいて良いかと思われるほどです。

施術の順序としては、既染毛に脱染剤を塗布後、新生毛にブリーチ剤を塗布します。脱染剤で明るくなりきっていない部分までブリーチ剤を伸ばしてなじませればキレイな金髪の出来上がりです。

一番傷みの出やすい毛先部分は脱染しただけなので、傷みの度合いが抑えられていることが実感できるはずです。

美容室で「ブリーチしましょうか?」と言われた場合には、「どんな薬剤を使うの?」と「どんな手順でするの?」の2点は必ず確認するようにしましょう。

その際に「毛先は傷まないように弱めのブリーチを使います」と言われた場合は、注意が必要で、世の中に「弱めのブリーチ」は存在しません。性能に多少の強弱はあるにしてもブリーチはブリーチなんです。騙されないようにして下さいね。

昨今は、プロでなくてもいろいろなことを知っている情報社会です。多少の専門的な質問をしても問題ないと思いますし、何しろ髪の毛が傷んでしまって後悔するのは自分自身ですから、できる限りの自己防衛はするべきではないでしょうか?

 

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家庭でできるブリーチonカラー後のメンテナンス

実のところ、ブリーチonカラーに限らずヘアカラー全般に言えるメンテナンスになるのですが、「ヘアカラーで髪が傷んだ」や「ヘアカラーした後の褪色(色が抜ける)が早い」などの相談が多いにも関わらず、実情としてはあまり浸透していないように感じるので、今一度ヘアカラーのご家庭でのメンテナンスについてご紹介しておきましょう。

髪の毛の傷みを感じてまず最初に思い浮かぶのは、トリートメントでしょう。美容室でも「カラーしたからトリートメントを~」と言われるでしょうし、トリートメントで内部修復して艶やかで健康な髪の毛を保つ的なCMも多く流れていることからも一般消費者は洗脳的に「髪の傷み=トリートメント」となってしまっているのは言うまでもありません。

しかし、ヘアカラーに限らず美容室での薬剤処理された髪の毛に最も必要とされるのはトリートメントではありません

最も必要で重要なのは…シャンプー剤です。

とは言っても普通のシャンプー剤では不十分で、酸性系のシャンプー剤を使用することをお勧めします。

というのも、美容室で薬剤処理をされた髪の毛は、薬剤がアルカリ性の化学反応を起こすものが多く、大半の場合がアルカリ性に寄っています。人間の体は標準値がpH5.5の弱酸性です。髪の毛も漏れることなく弱酸性が標準値ですので、標準値よりもアルカリ性に寄っているということは、その分普通ではない状態ということです。

更に、アルカリ性に寄っている状態だと髪の毛一本一本が膨張している状態で、キューティクルに隙間ができることから、せっかくキレイに染まった髪色の色素も垂れ流し状態になってしまいます。

そこで登場するのが酸性系のシャンプー剤です。最近では美容室専売品のシャンプー剤以外にも市販されているものも出てきていますね。一般的にはシャンプー剤はアルカリ性のものが多いのでご注意ください。

髪の毛も人の一部ですので、自然治癒的に徐々に弱酸性に戻っていくのですが、そのスピードは通常生活で約2週間と言われています。ということは2週間の間、色素は垂れ流し放題でもはや色は残っていないでしょう。

仮に一生懸命にトリートメントをしたとしても10日はかかってしまいます。

そこで酸性系のシャンプーを使用すると、約3~5日程度(シャンプー剤によって多少の誤差があります)で弱酸性の髪の毛に戻ります。というのもシャンプー剤は、汚れを落とす名目で作られている性質上、髪の毛の表面に付着した不純物を取り除くとともに髪の内部にも浸透します。その時髪の内部に残った残留アルカリを中和していってくれるのです。逆にトリートメントだと髪の毛をコートしながらなので、中和したはずの残留物がそのまま内部に残ります。

使用方法としては、酸性系のシャンプー剤は非常に泡立ちが悪いものが多いので、しっかりとプレシャンプー(シャンプーをする前の髪の濡らし)をして、髪の毛や頭皮に付着した油を落とします。シャンプー剤を適量手に取り、しっかりを泡立ててから毛髪に塗布。さらに毛髪・頭皮にまんべんなく泡がいきわたるように泡立てます。泡立てたまま5分程度をかけてしっかりと頭皮をマッサージするように洗いましょう。髪の毛にややきしみが出てくるくらいが丁度いいです。

その後は、通常通りトリートメントやコンディショナー・リンスなどで仕上げていただいて大丈夫です。

更に、この酸性系のシャンプー剤については、カラー施術後、1週間のみのご使用にしてください。あまり長く使っていると、指どおりが悪くなったり、乾燥しやすくなったりします。なので、多少金額が張るシャンプー剤を購入したとしても、ヘアカラーをする度に1週間と考えれば、かなり長持ちするのではないでしょうか?

もっと言ってしまえば褪色が気になる方の場合、染めに行くのが半月分長くなるかもしれませんよ。そうなれば、年間10回ヘアカラーをしに行っていたのが7回に減るのであれば、むしろ安く済むでしょうし髪も傷みませんので、一石二鳥です。

 

まとめ

今回、ブリーチに関する間違った認識について解説してきましたが、世の中の美容師さんの言ってること嘘ばっかじゃん!ってなってしまったのではないでしょうか?

しかし、必ずしも嘘では無く、もちろんトリートメントも必要ですし脱染剤の知識がなければブリーチで代用するしかその美容師さんにはなす術がないのです。

前述もしましたが、昨今の情報社会の中で失敗しないように、されないようにしていくには自分自身の自己防衛は必要不可欠になってきています。

特に、ブリーチのような致命的な髪へのダメージをもたらす施術の場合には、事前の下調べや担当者への適宜の質問はできるようになっていると、ご自身も安心して任せられるのではないでしょうか?

ぜひ参考にしていただければと思います。

あなたの髪の毛が好みのヘアカラーに仕上がることを心から願っています。

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